2022最新SEO内製化 2023年インハウスSEOのすすめ 〜SEO内製化に必要なこと〜

この記事では自社でSEOを内製化(※以降「インハウスSEO」と記載)を成功させるために、2023年現在においてSEO対策に必要な考え方や担当が持つべき知識について説明しています。

なお、本記事は「SEO対策」の名前は理解しているが、具体的な施策や考え方を知らないという初心者〜中級者の方を対象としております。

弊社は2005年からSEO対策サービスを提供しており対策したWebサイトは数千にも及びます。
日本のSEO対策黎明期から現在もサービスを提供している数少ない企業と自負しております。

近年、SEO内製化に関するご要望をいただくことが増えており、SEO内製化サポートも行わせて頂いておりますので、この記事が少しでもお役に立てば幸いです。

また、これから内製化に取り組まれる企業様のために、「内製化スターターキット」も用意しました。無料でダウンロードできる資料ですので、ぜひお役立てください。

ダウンロードSEO内製化スターターキット

SEO対策の根本的な考え方について

SEOで成果を出すためにはまず、
SEO対策についての基本的な仕組み、そしてGoogleの考え方を理解する必要があります。

この考え方は、どれだけ技術が進化しても変わらない普遍的なものになります。

考え方を理解するために参考になるものとして、Googleが公式に出しているSEO対策についての考え方やガイドラインをまとめた「SEO スターター ガイド: 基本」というWEBドキュメントがあります。

スターターガイドでは「Googleが考えるSEO対策とは」という非常に重要な内容から、WebサイトがGoogle検索で表示するための仕組みなどの基本的な情報が記載されています。

まずはスターターガイドの中で特に重要なものをピックアップして解説していきます。

スターターガイドに記載されている「SEO」とは

スターターガイドの「SEOとは」に記載されている内容は以下の通りです

ウェブサイトは利用者の便宜のために構築するべきであり、すべての最適化はユーザー エクスペリエンス向上のための調整である必要があります。検索エンジンもそうした利用者のひとつであり、他のユーザーがあなたのコンテンツを見つけるための手助けをしています。SEO は、検索エンジンがコンテンツを理解して他のユーザーに提示するのを助ける作業です。

上記を補足すると、SEO対策で一番重要なことはユーザーにとって有益なコンテンツを提供することです。
SEOを成功させるためには、ユーザーにとって有益なコンテンツを提供すると同時に、Googleに認識してもらうための工夫が必要です。

Googleは検索するユーザーの検索クエリ(検索キーワード)の意図を理解して、その答えに一番最適だと思われるWebサイト・コンテンツを検索結果という形でユーザーに提示します。

SEOでの上位表示を安定して達成するということは、自分たちのWebサイトがユーザーにとって必要とされていると捉えることもできます。

では、GoogleはどのようにしてWebサイトを理解してユーザーに提示しているのでしょうか。
つぎはWebサイトをGoogleに登録する「インデックス」を理解する必要があります。

インデックスについて

「インデックス」とは検索エンジンにWebサイトの情報が登録されることを指します。
インデックスされることで、検索エンジンの検索結果にWebサイトの情報が表示されます。
SEOスターターガイドには以下のような説明があります。

インデックス – Google は認識したすべてのウェブページを「インデックス」に格納します。各ページのインデックス エントリには、そのページのコンテンツと場所(URL)が記述されています。

Google は完全に自動化された検索エンジンです。ウェブクローラを使用してウェブを常に探索し、Google のインデックスに追加するサイトを探しています。

上記の説明に記載あるとおり、GoogleはクローラというWebサイトの情報を収集するbotを利用して機械的に理解し、ユーザーの検索クエリに対してインデックスされているWebサイトの中からユーザーへの回答に一番適した情報を検索結果として提示します。

上記理由から、どんなに良いWebサイトを制作してもGoogleにきちんと認識されなければ、SEOで成功することはありません。

有益なコンテンツ制作と、Webサイトの情報をGoogleに正しく認識してもらうためのサイト設計、以上2つの要素がSEO対策において重要となります。

サイトを正しく評価してもらうための内部対策とは

Webサイトの情報をGoogleに正しく認識してもらうための施策のことを「内部対策」と呼ぶことがあります。

内部対策の重要性は前項で記載した通りですが、なぜ有益なコンテンツが存在しているのにも関わらず、Googleにうまく認識されないようなことが起きるのでしょうか。
そのヒントになることが前項でもご紹介しましたスターターガイドに記載されています。

Google は何十億ものページをクロールしていますが、サイトによってはクロールされない場合もあります。Google のクローラがサイトを見落とす場合のよくある原因は次のとおりです。

クロールしたWebサイトにどんな事が記載されているか理解する精度は年々高まっていると言われていますが、何十億というWebサイトをクロールするため、1ページをインデックスするための時間を多くかけられません。
また、そもそもページ自体を見逃してしまう可能性もあります。
だからこそ、グーグルにWebサイトの中身や評価してもらいたいコンテンツをきちんと伝えるための内部施策が重要になるのです。

クローラがWebサイトを見落とす原因とは

スターターガイドに記載されているGoogle のクローラがWebサイトを見落とす場合とは、どのような事でしょうか。スターターガイドにはいくつかのパターンが記載されていますが、その中で一番重要なものをピックアップして解説します。

  • サイトがウェブ上の他のサイトから十分にリンクされていない。

公開されているWebサイトをGoogleにインデックスさせるためには、リンクが必要になります。
GoogleはリンクをたどってWebサイトを見つけるため、どこからもリンクがつながっていないWebサイトはGoogleは見つけることは出来ません。

SEOにおける「リンク」は大きく以下のような2種類に分類されます。

  • 外部のWebサイトからのリンク=「外部リンク(被リンク)」
  • Webサイト内部でのリンク=「内部リンク」

ユーザーにとって役立つコンテンツを作成したとしても、リンクが不十分だった場合、Googleは見逃す可能性があります。

もともとGoogleは「PageRank アルゴリズム」といって、Webサイトの重要度を被リンクの数で評価していた歴史があります。
PageRankに関して、wikipediaの記載が非常にわかりやすいため引用いたします。

PageRank アルゴリズムの発想は、引用に基づく学術論文の評価に似ている。
学術論文の重要性を測る指標としては、被引用数がよく使われる。重要な論文はたくさんの人によって引用されるので、被引用数が多くなると考えられる。同様に、注目に値する重要なウェブページはたくさんのページからリンクされると考えられる。

さらに、被引用数を用いる考え方に加えて、「被引用数の多い論文から引用されている論文は、重要度が高い」とする考え方が以前から存在した。ウェブページの場合も同様に、重要なページからのリンクは価値が高いと考えられる。

ただし、乱発されたリンクにはあまり価値がないと考えられる。リンク集のように、とにかくたくさんリンクすることを目的としている場合には、リンク先のウェブページに強く注目しているとは言い難い。

現在のアルゴリズムはリンクの数で評価するような単純なものでは当然ありませんが、重要な考え方であることは変わりません。

インハウスSEOに取り組む際にはコンテンツだけを見るのではなく、リンク構造を含め、Webサイト全体を最適化する必要があるのです。

Webサイトを必要以上にGoogleによく見せる行為はペナルティ対象

スターターガイドとは別のWebコンテンツにウェブマスター向けガイドラインがあります。記述されている中では品質に関するガイドラインは内製化をする際に必ず理解しなければいけない項目です。

以下の項目がガイドライン違反になりえることとして提示されています。

  • 自動生成されたコンテンツ
  • リンク プログラムへの参加
  • オリジナルのコンテンツがほとんどまたはまったく存在しないページの作成
  • クローキング
  • 不正なリダイレクト
  • 隠しテキストや隠しリンク
  • 誘導ページ
  • 無断複製されたコンテンツ
  • 十分な付加価値のないアフィリエイト サイト
  • ページへのコンテンツに関係のないキーワードの詰め込み
  • フィッシングや、ウイルス、トロイの木馬、その他のマルウェアのインストールといった悪意のある動作を伴うページの作成
  • 構造化データのマークアップの悪用
  • Google への自動化されたクエリの送信

それぞれの項目の具体的な解説は技術的な要素が多くなるため、この記事では割愛しますが、重要なことは必要以上にWebサイトをGoogleによく見せようとする全ての行為はガイドライン違反であるという事です。

▼Webサイト運営者が意図していない形でガイドライン違反をしてしまっている例
例えば、条件の絞り込みやソート機能を備えているポータルサイトなどで、条件ごとにページが生成されることがあります。この場合、コンテンツの中身が非常に似通った何百何千というページが自動的に生成されることになり、価値のないコンテンツから大量にリンクを用意している。という判断をGoogleがしてしまう可能性があります。

実際のところ、このような悪意のないガイドライン違反は非常に多くのWebサイトで見られます。

Web担当者の方は是非、WebサイトがGoogleにとって理解しやすい構造になっているか、ガイドライン違反になりかねない要素が存在しないかチェックすることをおすすめします。

モバイルファーストインデックスについて

総務省が2017年に発表した通信利用動向調査で、個人がインターネットを利用する機器としてスマートフォン(54.2%)がパソコン(48.7%)を初めて上回りました。

一番最近の調査結果である令和2年の調査ではパソコンが50.4%に対してスマートフォンは68.3%と更にその差は開いています。

そのような状況からGoogleはWebサイトをインデックスする際に、PC用の表示ではなくスマートフォン用の表示で評価するようになりました。

このことをモバイルファーストインデックスといいます。

2016年にGoogleがモバイルファーストインデックスについて発表した後、段階的に適用しており、2021年にはPC用の表示でのインデックスからモバイルに完全移行される予定でした。

2023年現在でも一部のWebサイトではPCでの表示によるインデックスは残っていますが、モバイル表示で問題ないかどうかを確認することはSEOにおいて非常に重要です。

モバイルフレンドリーかどうかを判断するために利用できるツールにGoogleが提供している「モバイルフレンドリーテスト」がありますので、一度自社のWebサイトを確認してみることをおすすめします。

ページ表示速度は非常に重要

前項のモバイルファーストインデックスに関連して、近年のGoogleアルゴリズムではWebサイトのページ表示速度が重要視されていると言われています。
もともと2018年には「Speed Update」という名前で表示速度をランキングシグナルに組み込むアップデートがありましたが、近年その重要度がますます高まっていると言われています。

ページ表示速度がGoogleのランキングシグナルの中でどれくらい重要視されているのかGoogleは明言していないという点は留意するべきところですが、複数のSEO関係者との話の中でページ速度はランキングシグナルの中でも重視するべきものだと感じている人が多いです。

ページ表示速度の重要性を裏付けるようにGoogleは2020年に「コアウェブバイタル」という指標を発表しています。

コアウェブバイタルとは主にページ表示に関するユーザーエクスペリエンス(UX)に関連するもので、下記3つの指標が特に重要なものとして公表されています。

  • 読み込みパフォーマンス
  • 視覚的安定性
  • インタラクティブ性

詳細はかなり専門的なものになりますので、この記事では割愛しますがコアウェブバイタルについてご紹介している記事もありますので、よろしければこちらもご一読ください。

自社サイトのマーケティング・SEO担当者の方は業務中はパソコンを利用して業務にあたっている方が殆どだと思います。どうしてもパソコンありきで自社サイトのことを考えてしまいますが、前項のモバイルファーストと併せてスマートフォンでサイトの使い勝手はどうか。分かりづらいところはないか。という部分は必ず確認するようにしてください。

ユーザーにとって有益なコンテンツとは

前項まではSEO対策の中でGoogleに向けた注意点や重要な考え方について説明しました。
しかし、SEO対策で一番重要なことはWEBコンテンツがユーザーにとって有益であることです。

それでは、どのようなコンテンツであればユーザーにとって有益になりえるのでしょうか。
そのヒントになり得る要素をGoogleはいくつか公開しています。

コンテンツ品質を評価するE-E-A-Tについて

ユーザーにとって有益なコンテンツで一番重要なのはコンテンツの品質ですが、その品質をGoogleはどうやって判断しているかを理解するために役立つ資料として「品質評価ガイドライン」があります。

このガイドラインは、Googleが外部の協力者向けに評価基準を説明したガイドラインになります。このガイドラインに沿って協力者は実際にWebサイト・コンテンツを評価して、そのフィードバックをGoogleは検索エンジンにいかしています。

その中で「E-E-A-T」という用語が頻繁に出てきます。
E-E-A-T」とはGoogleが定めた以下の4つの評価基準の頭文字をとって表現した造語です。

  • Experience(経験)
  • Expertise(専門性)
  • Authoritativeness(権威性)
  • Trust(信頼性)

コンテンツを評価する際に、上記のE-E-A-Tの観点から判断することの重要性が繰り返し記載されています。

E-E-A-Tはコンテンツの品質を判断する際に役立つ考え方といえますが、Webサイトを訪問したユーザーにとって有益かどうかを考えるために、もう一つ重要だと私が考えていることをご紹介します。

※もともとExperience(経験)を除いた、E-A-Tとされていました。2022年12月15日に検索品質評価ガイドラインが更新され、新たにExperience(経験)が追加されたことで、E-E-A-Tとなりました。

ユーザーインテントについて

ユーザーインテントとは、検索したユーザーの意図(Intent)という意味で有益なコンテンツとは何かということを考えるうえで非常に重要なものです。

Googleはユーザーインテントを以下の4つに分類しました。

  • Know(インフォメーショナルクエリ)
    • 情報を調べている。解決したいというときに検索するクエリ
  • Go(ナビゲーショナルクエリ) 
    • どこかに行きたいというときに検索するクエリ
  • Do(トランザクショナルクエリ)
    • 何かを行いたいというアクションに紐づくクエリ
  • Buy(トランザクショナルクエリ)
    • 何かを購入したいというクエリ

検索エンジンを利用するユーザーには必ず検索する意図があります。
Googleは、検索クエリとそのクエリに隠されている意図を推測して、一番ユーザーの意図が解決するであろう考えられるWebサイトを表示させます。
つまりユーザーインテントに答えることが有益なコンテンツづくりにつながるのです。

Webサイトに訪問したユーザーは何を知りたいのか、ユーザーインテントを解決できるようなコンテンツになっているかを考えながらインハウスSEOに取り組むことは、非常に重要なことだと考えています。

インハウスSEOの担当者が必要なスキルとは

これまでは「SEO」について説明してきました。
ここからは「SEO担当者」について考えていきたいと思います。
インハウスSEOを成功させるためには専任の担当者が必要だと考えていますが、
近年のSEOは担当する領域が広がり続けていると感じています。

少なくともタイトルの付け方によりキーワードを入れるべきかどうかを判断するだけのSEO担当者は2023年ではなんの役にも立たないと思っています。

個人的に感じているSEO担当者に必要なスキルは以下のようなものとなります。

  • Googleの考え方を理解していること
  • サイト構造がSEOの観点から問題がないか判断できること
  • ユーザーインテントの概念を理解してユーザーが何を求めているか深堀りすること
  • 社内・社外の関係者に考えを伝え協力を仰げること

SEOを成功させるためには、ユーザーインテントに答える形でWebサイトを改善し続ける必要があります。
SEO担当者が一人で全ての改修を行えるのが理想かもしれませんが、専門的な領域にまたがることも多く、エンジニア、デザイナー、ライターなど多くの関係者に共有し、時には指示を出す必要があります。

だからこそ、SEO担当者はSEOの知識だけでは不十分です。
SEOの知識は持っているものの、自分ひとりではWebサイトに実装できない。関係各所の協力を取り付けられないのでは、何もユーザーのためになることを実現できていないのと同じです。

これからSEO内製化に取り組むのであればSEO担当者には是非指示を各所に出すことができる権限も一緒に与えるべきだと考えています。

SEO内製化サポートについて

SEO内製化について必要な考え方や担当者が持つべきスキルについて記載してきました。
ここまでお読みいただきましてありがとうございます。
弊社ジオコードでは、SEO内製化を成功させるためのサポートサービスを提供しています。

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またこの記事がインハウスSEOの役に少しでも立てば幸いです。